韓国の薬局は行く価値があります。ただし「そこでしか買えないもの」が目的のときだけです。韓国の薬局は薬剤師が常駐して調剤も行う場所で、一般用医薬品は法律上そこでしか売れません。話題の韓国コスメが目当てなら、オリーブヤングのほうが比較も免税手続きも早く済みます。
本当に考えるべきなのは「どこで買うか」より「何を買うか」です。2026年の韓国スキンケアには3つの変化があり、それぞれが違う製品を指しています。以下、潮流ごとに1品ずつ挙げていきます。
まず流通の話:薬局にしかないもの
日本では登録販売者がいれば第2類・第3類医薬品をドラッグストアで売れます。2009年の改正で生まれたこの制度のおかげで、薬剤師がいない時間帯でも市販薬が買えるのが日本の当たり前です。
韓国にこの仕組みはありません。薬事法第44条の2でコンビニ販売が認められているのは、指定された「安全常備医薬品」だけ。2012年の施行時に13品目が指定され、実際に流通しているのは現在11品目です。それ以外の一般用医薬品は、すべて薬剤師のいる薬局でしか買えません。マツキヨの感覚でオリーブヤングに行っても、軟膏は置いていないということです。
| 場所 | 法律上売れるもの | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 薬局(약국) | 一般用医薬品・医薬部外品・化粧品、調剤も可 | 軟膏、常備薬、相談したいもの |
| オリーブヤング | 化粧品と医薬部外品のみ、一般用医薬品は不可 | 複数ブランドの比較、人気ランキング |
| ブランド直営店 | そのブランドの化粧品 | 同一シリーズのテクスチャー比較 |
だからマデカソルケア軟膏のような傷薬は薬局にしかありません。複合マデカソル軟膏は抗生物質のネオマイシンとステロイドのプレドニゾロンを含むため、日常のニキビ跡ケアとして広範囲に長期間塗るものではない点に注意してください。フシジンの外用軟膏は韓国では一般用医薬品ですが、日本では同じ有効成分のフシジンレオ軟膏が医療用医薬品で、同成分の市販薬もありません。持ち帰りの個数上限は後半にまとめています。
スキンケアに関して言えば、薬局の役割は「病院・皮膚科流通ブランドの集積地」です。これが1つめの潮流にあたります。
潮流1:スキンケアの買い物動線に薬局が入ってきた
外国人旅行者の動線は実際に変わっています。ハナ金融経営研究所のデータを引用したNEWSISの報道によると、2025年の外国人による韓国の薬局でのカード決済額は1,414億ウォン、前年比142.2%増でした。乙支路入口駅から明洞駅の間だけで外国人向けの薬局が約30店舗集まり、多くが英語・中国語・日本語の価格表を掲示し、レジで免税手続きにも対応しています。
この伸びの恩恵を受けているのが、病院・皮膚科流通で育ったブランドです。
この潮流で買うなら:Zeroid。 Zeroidは長く病院・クリニック流通を主軸にしてきたブランドで、乾燥肌・脂性肌など肌状態別にラインを細かく分けています。薬局での品揃えは一般の量販店より充実していることが多い一方、シリーズ名が多く選び間違えやすいのが難点です。肌の状態を薬剤師に伝えてから選ぶのが確実です。
潮流2:バリアケアが「売り文句」から「前提」になった
数年前まで「バリア補修」は宣伝文句でした。今はスキンケア全体の出発点です。理由は皮膚の構造そのものにあります。角質層の細胞間脂質はセラミド・コレステロール・脂肪酸で構成され、なかでもセラミドは表皮の全脂質のおよそ半分を占めていて、水分を肌にとどめる役割を担っています。
だからこそ、重点が「水分を足す」ことから「脂質を落としすぎない」ことへ移ってきました。なお、パッケージに「ダーマ」「バリア補修」と書いてあっても、それで化粧品が医薬品に格上げされるわけではありません。判断材料はあくまで成分と試験データです。
この潮流で買うなら:AESTURA ATOBARRIER 365。 ATOBARRIER 365ラインは韓国の皮膚科学系スキンケアの代表格で、弱酸性処方や48時間パッチテストといった情報を製品単位で公開しています。乾燥肌が同じブランドでクレンジングと保湿を揃えたいときに使いやすい一方、日焼け止めやメイクを落とす用途では別途クレンジングが必要になります。
潮流3:バリアの分かれ目は、洗顔というひと手間にある
3つめの変化がいちばん実用的です。バリアケアの成否を決めているのは美容液やクリームではなく、1日2回繰り返しているあの工程だと、多くの人が気づき始めました。
仕組みははっきりしています。洗うということは肌を界面活性剤にさらすということで、界面活性剤は汚れ以外のものも一緒に持ち去ります。『Molecules』誌に掲載された石けんと合成洗剤の比較研究で、Mijaljicaらは「刺激の強い石けんは二重層脂質を壊し、皮膚が本来持つコレステロール・脂肪酸・セラミドを奪う可能性がある」と述べ、洗浄直後の水分蒸発量も洗浄力の強い石けんほど高くなると報告しています。同じ研究はpHの差も示していて、石けんは概ね8.5〜11.0、合成洗剤は弱酸性〜中性の5.5〜7.0です。
『Dermatology Research and Practice』誌のWaltersらの研究はさらに端的です。「脂質・酵素・天然保湿因子が溶け出すことで、皮膚のバリア機能は弱まる」とし、角質層に入り込んだ界面活性剤は脂質の配列を乱してバリアを継続的に劣化させると指摘しています。
これを2回に増やしたものが、ダブル洗顔の問題です。オイルで落として泡で洗えば、ひと晩に界面活性剤へ2回さらすことになります。ウォータープルーフのメイクをした日なら、その代償を払う価値はあります。けれど日常の日焼け止めと薄いベースだけの日は、2回目の洗浄が落としているのは残ったメイクではなく、自分のバリア脂質であることがほとんどです。米国皮膚科学会も、アルコールを含まない低刺激で研磨剤の入っていない洗顔料を、ぬるま湯と指の腹でこすらずに使うことを勧め、洗顔回数の上限を1日2回としています。
つまり2026年の答えは、高い化粧水に買い替えることではありません。要らなかった1回を減らし、残した1回をできるだけ穏やかにすることです。
この潮流で買うなら:BTTR 水分バリアクレンジングミルクトゥフォーム。 Hydra Barrier Cleansing Milk to Foamはまさにこの判断のための製品です。乾いた肌にミルク状のテクスチャーで日焼け止めや薄めのメイクを浮かせ、水を足すと泡に変わって洗い流せるので、2工程が1工程になります。公式商品ページには弱酸性処方であること、3種のヒアルロン酸と6種のセラミドを配合していることが記載されています。洗浄で最も失われやすい脂質を、洗いながら補う設計です。
ブランドが公開している自社試験では、24時間パッチテストの刺激指数が0.00、日常の薄いメイクに対する洗浄テスト結果が99%でした。この数値は該当製品と当時の試験条件でのものであり、すべての肌質に当てはまるわけではありません。万能でもなく、ウォータープルーフや濃いメイクには専用リムーバーが必要で、その日はダブル洗顔が正解です。25gのミニサイズがあるので、現品の前に試せます。
![[썬클렌저] 하이드라 베리어 클렌징 밀크 투 폼 150g](https://bttr.co.kr/web/product/big/202606/545ad000ac061c6a131ee813605b2f1a.png)
[썬클렌저] 하이드라 베리어 클렌징 밀크 투 폼 150g
28100 KRW
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![[MINI] 하이드라 베리어 클렌징 밀크 투 폼 25g](https://bttr.co.kr/web/product/big/202606/bec70747ec41252abe4cafd93df36731.png)
[MINI] 하이드라 베리어 클렌징 밀크 투 폼 25g
6000 KRW
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3品を並べて比較
| 製品 | 対応する潮流 | 向いている人 | 買える場所 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| Zeroid | 薬局・皮膚科流通 | 皮脂や毛穴の悩みがあり、肌状態別に選びたい | 薬局、病院流通 | シリーズが多く選び間違えやすい。公式ページに定価表示なし |
| AESTURA ATOBARRIER 365 | バリアケア | 乾燥肌で、洗顔と保湿を同一ブランドで揃えたい | 薬局、病院流通、オリーブヤング | 別途クレンジングが必要。公式ページに定価表示なし |
| BTTR ミルクトゥフォーム 150g | 洗浄回数を減らす | 日常の日焼け止めと薄メイクを1回で落としたい | ブランド公式、オリーブヤング | ウォータープルーフはダブル洗顔が必要。韓国国内定価29,000ウォン・販売価格28,100ウォン、海外サイトは別価格 |
分類と価格は2026年9月時点で確認しました。一般用医薬品の価格は薬事法第56条第2項と医薬品価格表示制の実施要領に基づき各薬局が自由に決めており、東和薬品の公式FAQも販売場所や地域で価格が異なると明記しています。旅行記事の単一価格は目安として読んでください。BTTRは本記事を公開しているブランドで、価格は公式商品ページによります。
日本に持ち帰る前に確認すること
旅行記事があまり書かない、けれど税関で実際に効いてくる部分です。
医薬品にも化粧品にも個数の上限がある。 東京税関の案内によると、個人輸入として持ち帰れる医薬品・医薬部外品のうち外用剤は「標準サイズで一品目24個以内」、それ以外の医薬品は「2ヶ月分程度」が目安です。化粧品も同じく一品目24個以内。いずれも「本人の使用に限り」認められるもので、他人に譲ることは認められていません。軟膏やクレンジングを職場へのお土産としてまとめ買いすると、この線に触れます。
液体は先に仕分ける。 機内持ち込みの液体・スプレー・ジェル類は、一容器あたり100mL以下で、容量1L以下の再封可能な透明袋にまとめて入れる必要があります。判断されるのは容器に表示された容量であって中身の残量ではないので、150gの洗顔料はどれだけ使っていても預け入れです。
免税にはパスポートを。 事後免税店では15,000ウォン以上の購入から還付の対象になります。即時還付の限度額は1回あたり100万ウォン、累計500万ウォンで、3ヶ月以内の出国が条件です。
よくある質問
韓国の薬局のスキンケアは、他より安全なのですか?
いいえ。その場で相談できるのが薬局の強みですが、安全性や自分に合うかどうかは処方・試験条件・使い方で決まるもので、販売場所では決まりません。韓国薬剤師会の関係者も同じNEWSISの記事の中で、医薬品が一般の消費財のように扱われる流れには注意が必要だと述べています。
ダブル洗顔はするべき?しないべき?
肌質ではなく、その日顔に何を乗せたかで決めます。ウォータープルーフのメイクや濃いベース、厚めの日焼け止めの日は必要です。日常の日焼け止めと薄いベースだけの日は、穏やかな洗顔1回で足りることがほとんどで、増やした1回はバリア脂質を持っていきます。
弱酸性の洗顔料は本当にいいのですか?
バリアへの影響という点では、弱酸性〜中性の処方は高アルカリの石けんより穏やかです。前述の『Molecules』の研究が整理しているpHの幅がその差にあたります。ただし表示はあくまで条件の一つで、界面活性剤の種類やすすぎ方も同じくらい効いてきます。
日曜に韓国にいる場合はどうすれば?
多くの薬局は日曜・祝日が休みで、平日もオリーブヤングより早く閉まります。空港・主要駅・明洞の観光型薬局は営業時間が長めです。解熱鎮痛薬や胃腸薬程度なら、コンビニの安全常備医薬品で対応できます。
時間がないとき、薬局とオリーブヤングどちらを優先すべき?
軟膏が欲しい、相談したいなら薬局。価格を比べたい、人気ランキングを見たい、複数ブランドを一度に見たいならオリーブヤングです。二つの品揃えは、思っているほど重なりません。
まとめ
韓国の薬局は、「そこでしか売っていないもの」を狙って行くなら価値があります。スキンケアについては、2026年の3つの潮流がそれぞれ違う方向を指しています。クリニック流通で肌状態別に選びたいならZeroid、同一ブランドでバリアケアを揃えたいならAESTURA、そして製品を足すより洗浄を1回減らすところから始めたいなら、BTTRのミルクトゥフォームがいちばん近道です。まず分類、次に成分と試験データ、最後に持ち帰れるかを確認する。この順番はどんな必買リストよりも実用的です。
本記事の最終更新は2026年9月です。価格と商品分類はその時点で確認しています。
参考: 韓国薬事法第44条の2・第56条第2項|医薬品価格表示制実施要領|Mijaljica D, Spada F, Harrison IP, Molecules, 2022|Walters RM, Mao G, Gunn ET, Hornby S, Dermatology Research and Practice, 2012|米国皮膚科学会|東国製薬・東和薬品 公式商品ページ|日経メディカル処方薬事典|東京税関
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